GEKKOの壁 - | ワンオフの商業空間デザイン/シネスSynes

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2016.07.06 MAKING

GEKKOの壁

以前美容室で実験的に挑戦させていただいた壁
つくっていきながら、こわしていく。。。つくっているのか、こわしているのか。。。

gekko1
gekko壁

オリジナルな手法で、一回性、偶然性がつくりだす、本物感のある壁が仕上がった。

今回は、そのストーリーを紹介したい。

美容室のクライアントから、少し崩れたクラシックといった内装依頼を
いただいた。

ふさわしい左官壁の仕上げを考えていたら、あるファッション雑誌の壁が
目についた。

きれいな洋服を着たモデルの背後に、白い左官壁の下部の一部が
2~3mm厚のフレーク状に崩れ落ちている。
服のクラシックなディテールと対比されて、引き立て合っていた。

その壁の崩れ方が荒すぎず、大げさすぎず、この美容室の壁として
ふさわしく感じられた。

gekko2
gekko壁(制作中)

左官アーティストと話合い、つくりながら壊す壁を提案された。
モルタルと針金を使うシンプルな壁だ。

モルタル施工前に針金を仕込んでおいて、それからモルタルを壁に
塗りつけた。

そして、頃合を見て、針金を引っ張る。
ここでは、ひっぱるタイミングも大事だが、引っ張る力も仕上がりに影響
してくるので大切だ。

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gekko壁

上記の画像は、現場で施工したものである。
私が雑誌で見た壁は、崩れ落ちた壁の下地が黒く(おそらく
アスファルト)、塗り壁の材料は、プラスターだったろう。

gekko4
gekko壁

私たちがトライしたのは、最初に参考にした“自然にくずれ落ちた壁”を、
模倣してそれ風につくるのではなく、
”つくる、壊す”という行為の表裏一体性を
左官壁の仕上げに生かす事を考えた手法である。

だからこの壁は、最初の意図やイメージから離れて
別な自由な場所に着地した感じがした。

そして、この仕上げには、失敗も成功もすべて仕上げになってしまう
という緊張感の中で、行為の1回性というものがつくりだす、本物感が
あるように思う。

gekko5
gekko壁

奥の壁の下の方に、今回紹介した壁が少しだけ見えている。

今だ、と思った瞬間にえいっと引っ張って仕上げた壁。

どこか、日本の間(ま)の文化とも共鳴している。

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